鍼灸師のやすさとです。
前回の『妊婦には危険なツボ①』では私のお見苦しい絵にお付き合いいただいてありがとうございます。(※(①三陰交)に記事のリンクを張っておきます。)
絵心など全くないのに、基本すべてフリーハンド(鉛筆と筆ペン)で製作しております。
今回もすべて手書きですので、またお見苦しいかもしれませんが、ご了承願います。
※今回も国家資格者向けの内容ではありません。
家庭内で女性にマッサージをされる時などに、危険回避の参考としてお読みください。
①三陰交(さんいんこう)
さて、前回は女性にはおススメなのに、妊娠すると危険に変わるツボとして『三陰交』をご説明いたしました。
初めて読んでくださる方は、是非上記のリンクから読んでみて、参考にしていただければと思います。
続けて、前回の最後に記載したツボを図解でご紹介します。
②合谷(ごうこく)
本やテレビでもよく取り上げられることのある、たくさんの効能を持つと言われる通称『万能穴(ばんのうけつ)』ともいわれるツボです。
また、上半身に上った気を下げるツボともいわれています。
効果として、頭痛、歯や歯茎の痛み、口内炎、のどの腫れ・痛み、発熱、疲れ目による視力低下、耳鳴り、神経痛、手のしびれや痛み、鼻血、胃炎、胃痙攣、腹痛、下痢、便秘、ぜんそく、浮腫み、乗り物酔い・二日酔いによる気分の悪さ、だるさ、疲れ・・・などの幅広い領域で活用されます。
また、女性の生理に関係する症状に効果があると言われており、月経困難症、月経痛、月経不順などの施術にも使用されます。
この図では右手を参考図として書いていますが、左手にも同様の合谷があります。
多くの場合、図では(旧合谷)と書いたものを、合谷と言います。
しかし、合谷はもう一つあり、私が学生の時は人差し指の下にある中手骨の真ん中の際にあるツボを合谷として教えられました。
両方とも合谷なので、抑えてみて痛いところはどちらとも合谷としてツボを押せていると考えたらよいと思います。
どちらも流産させるおそれのある危険なツボなので、妊娠中の方には両方とも避けることをお勧めします。
③肩井(けんせい)
肩たたきでこぶしが最も当たると思うポイントです。
普段の家族サービスとしての肩もみでは、よく使用されるツボですが、妊婦に対しての肩井へのマッサージは危険ですので避けましょう。
第七頸椎と言われる、前に首を倒したときにポコッと盛り上がる骨から、方の先端を線で結んで、その中心にあると言われるツボです。
施術では、肩こりの施術などで、鍼や灸をすることもあります。
※私は妊娠中の方には行いません。
指で押さえる場合は、✖印周辺は押さえないように注意することをお勧めします。
④崑崙(こんろん)
外くるぶしと、アキレス腱の中間にあるツボです。場合によってはアキレス腱と当たる場所と説明されていることもあります。
アキレス腱と外くるぶしの間を押さえてみて痛いところです。
内側ではありませんので、ご注意ください。
効能として坐骨神経痛やねんざ、アキレス腱炎、足の痛みと冷え、めまい、吐き気、頭痛などにも用いられます。
子宮からは遠い場所ですが、危険ですので施術しないでください。
⑤臍(へそ)より下にある下腹部のツボ
妊娠中の方の下腹部への施術は、基本的にしないでください。
⑥次髎(じりょう)および仙骨上にあるすべてのツボ
仙骨は腰椎の下方にある三角形の骨です。
仙骨孔と呼ばれる穴が開いていて、そこから神経が出ています。
図の中で、〇をしている部分は基本的に妊婦には施術はしないでください。
次髎は、腰痛やぎっくり腰の施術に主に使われます。女性には月経時の不調の際に使用されます。
骨盤内に刺激を与える恐れがありますので、妊婦には絶対に使用しないでください。
まとめ
今回は前回説明できなかったツボに関して解説させていただきました。
体のツボは、対象(子宮)から一見関係ないような離れた場所にあるものでも影響を与えることがあります。
しかし、それらを学ぶ機会はなかなかありません。
知らずに危険なこと(ツボへのマッサージや刺激)を行って、悲しい結果になることは望ましくありません。
妊娠中の方や妊娠を希望される方、そして周囲の方が知ることで、危険を回避して欲しいと思い、前回と今回の2回に分けて書かせていただきました。
この情報が、読者様のお役に立ちましたら幸いです。
読んでくださった皆様に祝福がありますように。感謝を込めて。
やすさと
参考文献:医道の日本社 クリニカルマッサージ James H. Clay,David M. Pounds 著
主婦と生活社 新編 よくわかるツボ健康百科