こんにちは、やすさとです。
今週のお題「自慢の一着」を紹介したいと思います。
鍼灸師としての訪問着
私は鍼灸師をしております。
でも、店舗は構えておりません。『出張専門』です。
鍼灸師というと、一般的には『ケーシー』と呼ばれるタイプの白衣を着ることが多くあります。
(↑この白衣のタイプをケーシーと呼びます。)
出張専門の鍼灸師をするときに、第1の壁となるのが『ご近所の視線』だったりします。
田舎であればあるほど、『近所の監視』が頻繁にあります。
例えば、女性の患者さんの家に行く時は要注意です。
下手にラフな格好で訪問しようものなら、独身・既婚問わず
「あそこの奥さん(お嬢さん)、男を連れ込んでたわよ!」
なんて言われることが本当にあります。
私は比較的若く見えるそうで、未だ30代前半に見られることがあります。
そのため、女性の患者さんを訪問するときは、どんな角度からでも必ず白衣が見える格好で訪問し、『○○鍼灸院の××です。お世話になります。』と周りに聞こえるように挨拶します。
そうすることで、私も患者さんも、あらぬ疑いを回避することができます。
しかし、私の親以上の世代への訪問となると、少し変わってきます。
その世代になると、患者さんが3つのタイプに分かれます。
①白衣を好む(上記の理由から「白衣でお願いします」と言われる事もある)
②「服は何でもいいですよ」と言われる
③白衣を見ると血圧が上がる(白衣を見ると緊張するタイプ)
おおよそこの3つに分けられます。
③を白衣高血圧や白衣症候群と呼ぶことがあります。
白衣を見ると緊張して血圧が上がるのです。
そのような患者さんを訪問するときは、白衣を避けて、落ち着いたTシャツなどを着て行きます。
そして、私が行きついたのがワークマンのトップスでした。
これ、便利なんです。
作業を前提に作られているので、まず動きやすい!
速乾性のため汗も早く乾きます。
左肩にペンを挿すポケットが付いていて、ボールペンを入れておくことができます。
(肩を高く上げたりするとき、ボールペンがしっかり留められていないと抜けることもあります。)
そして、左胸に斜めにつけられたファスナー付きポケット!
左肩口から心臓方向に向けて傾いているので開けやすい!
閉める時、最初はコツが必要ですが、慣れれば楽に閉められます。
あとは、お洗濯しても、劣化しにくい感じがします。このシャツもう一年くらい着ていますがヤレた感じがしません。
そしてお値段も比較的安かった!(これも大きい)
一枚買って良かったので、すぐにもう一枚追加で買いました。
今ではすっかりワークマンのファンです。
漢気溢れる店長さんとの出会い
そんなわけでワークマンが好きな私ですが、
「これからもここを使おう!」と思った経験があります。
それは、2018年7月に岡山県で水害が発生した時の事でした。
友人の自宅が被災し、2階の床ぎりぎりまで浸水しました。
自衛隊の救助によって、家族は全員避難できました。
しかし、建てたばかりの家は、3年間は住める見通しがたたないとの事でした。
私が住む土地は一部地域が被災したものの、私の家は無事だったため、ボランティアに参加することにしました。
インターネットに『被災地で必要』と書かれていた道具を買うために、最寄りのワークマンへ行った時の事です。
閉店1時間前ぐらいだったと思います。お客さんも少なく、必要なものをゆっくり捜せました。
防塵マスクやアームカバーなどを揃えて、レジに持って行きました。
男性の店長さんがレジに立っておられて、対応してくれました。
彼は、私たちがカゴに入れた商品を見て、「被災地に行かれるのですか?」と聞いてきました。
「はい。」と答えると、店長さんはどこからか軍手の束を持ってきて「こちらは差し上げます」と、私たちの袋に入れました。
そして『被災地をよろしくお願いします。』と頭を下げられたのです。
後日、私はその思いと軍手を持って、被災地へ向かうことができました。
あの時の店長さんの行動は、おそらく独断だったのではないかと思います。
しかし、店長さんは、私達夫婦の間でカッコいい漢の中の漢です。
また、買いに行こう。