『世界は結構面白いんである』
このセリフは、私の妻がよく口にする言葉です。
つい先日も、この言葉を聞きました。
この言葉を口にする時の妻は、本当に楽しそうです。
正直、この言葉には何度も救われた気がします。
今回は、妻のこの名言についてお話したいと思います。
無関心故に見ていなかったもの
私は若い頃から、好きな事・嫌いな事がはっきりしている人間でした。
興味がある事以外には全くと言っていいほど関心がなく、嫌いなものは嫌い、どうでもいいものはどうでもいい。やりたくない事に自分の気持ちを込めることはありませんでした。
そのため、学校でも好きな教科は成績が良く、嫌いな教科は本当に点数が悪い。そんな状況が高校卒業まで続きました。
教師はその成績の差に、「何でこんなに成績に差が出るのかわかりません」と言っていたのを覚えています。
後で知ったのですが、一部の発達障害にも同様の症状がみられることがあるとか。
もしかしたら、検査を受ければ発達障害なのかもしれません。
そんな私は、特に自然の美しさや花の匂いなど、『五感を楽しませる素晴らしいもの』に関して本当に興味がありませんでした。
関心が低かったのは自然の美しさだけではありません。
ありとあらゆる『自分に作用しないもの』に関しては、無関心になっていたと思います。
学生時代はクラブ活動にも、そこで頑張る人に対しても、どこかで冷めている自分がいて、松岡修造氏のような『全力応援』の姿勢は当時の自分にはあり得ませんでした。
その為、人のあらゆる努力や熱意、スポーツにかける思いなど10代の私は考えもせず、見ようともしなかったので、『見(え)ていません』でした。
妻の影響で変わったこと
私の妻は、私とは全く違うタイプの人間です。
彼女は好奇心旺盛で、いろんな物に興味関心を示します。
私は妻のことが好きなので、お付き合いしているころから妻の表情をよく見ていました。
春は美しい花に感動し、夏は緑や虫を楽しみ、秋は色づいた山の美しさや秋の空を愛で、冬は雪や氷ついた水たまりに喜びました。
ころころと変わるその豊かで楽しそうな表情は、私の育った家には無かったものでした。
妻は多くの喜びを「知らない」私に、たくさんのことを教えてくれました。
花の名前や虫の生態、そして自然の美しさや楽しみ方など、私が見ようとしていなかったために見落としていた素晴らしいものを楽しそうに話してくれました。
そんな喜びにあふれる妻の話を聞いている時、私は時々とても幸せそうな表情をするそうです。
無意識に出る笑顔は再現できませんので、自分ではわかりませんが(笑)
幸せそうな妻を見ていると、私も幸せです。
そして少しずつですが、妻を幸せにしている世界中のあらゆるものが、私にも祝福となっていることを感じられるようになってきました。
最近では一緒にスーパーマーケットに買い物に行き、知らない鮮魚を見るだけでも楽しくなっています。
パートナーの影響は人を変えます
私たちはマイナス思考の時や元気がない時に、自然にある美しいものや素晴らしいものを見落とすことがあります。
それは、『気持ちにゆとりがない』とも言えるかもしれません。
体に元気がない時に、ステーキを受け付けるのが難しいように、心に元気がない時には刺激の強いものや賑やかな場所はしんどいと感じることがあります。
初めてお付き合いした彼女に裏切られた後、私の性格は非常に荒んでいたように思います。
しかし、妻は私におかゆのように心身に優しい愛情を示してくれました。
妻と一緒に居ると思考も少しずつプラス思考になり、寛容な性格に変わっていきました。
夫婦でも彼氏彼女の関係であっても、傍にいるパートナーの存在は、『良くも悪くも』私たちに多くの影響を与えます。
例えば、
不満ばかり言う人のそばに居れば、その影響を受けます。
幸せな気持ちを表す人のそばに居れば、幸せな気持ちになります。
妻はいつも私を幸せにするために、全てを捧げてくれています。
思いも、行動も、言葉もすべて私たちが幸せになれるように努めてくれています。
そしてその中で私が幸せそうに笑った時、妻も笑ってこう言ってくれるのです。
『世界は結構面白いんである』
私はそんな妻が大好きです。
やすさと